慢性腰痛に対して、モーターコントロールエクササイズ(MCE)は疼痛軽減効果がありますが、他の運動より優れているとは言えないことが報告されています(こちら)
しかし、エビデンスレベルはいずれも高くなかったため、さらなる研究が必要な状態でした。
今回紹介する論文は「モーターコントロールエクササイズは慢性腰痛にどれくらい有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)
2020年にドイツのNiedererらの研究チームは、2018年10月までに登録されている10本の論文を解析しています。
結果として、
MCEは、他動的介入、非活動性介入、他の運動と比較して、痛みの強度、機能障害は有意に改善していた。
他動的な介入または活動性の低い介入と比較した場合、痛みの強度、機能障害は短期、中期、長期いずれでも有意な効果は認められなかった。
他の運動と比較した場合、痛みの強度、機能障害は短期、中期、長期いずれでも有意な効果は認められなかった。
だそうです。
ただし、まだ対象者がまだ少ないため、さらなる研究が必要だそうです。
全体では効果があるがサブグループで効果がないということなので、やってはいけないことはないが、他よりも効果的とは言えないということだと思います。
慢性腰痛は筋骨格系の問題だけでなく、心理社会的な問題など多くの要因が複雑に絡み合って生じています。
患者さんの状態や意向に合った介入方法を選択することが大切だと思います。