序文(はじめに)
「役職がついたけど、何を学んだら良いかわからない」、「専門技術を高めていれば良いと思っている」といった状況ではありませんか?
3つのスキルと階層
役職者に求められるスキルは、大きく3つに大別されます(図)。
まず最初に、良い役職者は臨床的・技術的な仕事の側面を理解しなければなりません。つまり、業務遂行に関わる技術的なスキルを持つ必要があります。
2つ目に、対人関係におけるスキルを持つ必要があります。具体的には、良い人材を適切な仕事に配置すること、仕事を通じて人々を動機づけすること、個々人や集団の感情の動きを理解することです。
3つ目に、概念化能力が求められます。概念化能力とは、構想を視覚的にしたり、組織内の人々の貢献や協調がどのようにして一体化されるのかを理解させたりする力です。
階層とスキル
そしてこれらの能力は、階層によって求められる配分が異なります。
一般的に、現場の役職者には技術的なスキルが求められます。そして最も上位の上級役職には、仕事を概念化するスキルが求められます。そして中間の役職者は3つのスキルのいずれもが求められますが、特に対人関係スキルが求められます。
近年におけるリーダーシップとして提唱されている内容に、ビジョンの共有、参加・巻き込み、コミュニケーション、変化への促進などがあります。これらの基になっているのは、本日取り上げた3つのスキルです。
多くの役職者は、これら3つのスキルをないがしろにしている可能性があります。上位にいるのに事業を構想していない、中間にいるのに技術研鑽ばかりしている、などです。
締め文(大切なこと)
この機会に、今求められているスキルと、これから求められるスキルについて、整理されてはいかがでしょうか?
参考文献
Rose T. Dunn: Dunn and Haimann’s Healthcare Management, Eleventh Edition