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フレイル状態の糖尿病患者は、どれくらい予後が悪いの?

フレイル高齢者は年々増加しており、糖尿病を併発しているフレイル高齢者は32~48%におよぶと言われています。

2014年にアメリカのKalyaniらの研究チームは、糖尿病を有していると、慢性炎症、酸化ストレス、インスリン抵抗性によって筋肉量が減少し、サルコペニアに陥るリスクも高くなることを報告しています(こちら)。

 

糖尿病とフレイルは、それぞれが心血管リスク、死亡率、入院など予後不良と関連していますが、糖尿病とフレイル両方を有している場合にどの程度予後不良となるかについては明らかになっていませんでした。

今回紹介する論文は「フレイル状態の糖尿病患者は、どれくらい予後が悪いの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。

2019年に日本のIdaらの研究チームは、2018年10月までの期間に登録されている8本の論文を解析しています。

 

結果として、

 

  • 糖尿病患者がフレイルを有していると、フレイル状態でない場合と比較して、死亡率(HR:1.35)、入院率(OR:5.18)、心血管リスク(HR:1.13)が有意に高かった。

 

だそうです。

 

ただし、対象者や調査方法にばらつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。

 

結果をまとめますと、

 

  • フレイル状態の糖尿病患者は、フレイルでない患者と比較して、死亡率、入院率、心血管リスクが高い

 

ということになります。

 

糖尿病とフレイルは様々な疾患リスクと関連性が認められており、心血管疾患も例外ではありません。

しかし、その機序についてはいまだに不明な点が多いそうです。

疫学的に関連性が認められているものでも、まだ機序が解明されていない点があるというのは興味深いですね。

今後の研究に期待です。