冠動脈疾患患者では、自律神経機能が障害され、それが死亡リスクになることが報告されています(こちら)
運動ベースの心臓リハビリテーション(以下心リハ)は、自律神経活動を改善する可能性がありますが、効果がないとする報告もあり、本当に効果があるのかは明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「運動ベースの心リハは、自律神経活動を改善させるの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)
2020年にスペインのManresa-Rocamoraらの研究チームは、2018年11月までに登録されている21本の論文を解析しています。
結果として、
運動群は対照群と比較して、RR間隔(RMSSD)、心拍回復(HRR)は有意に改善したが、副交感神経活動(HF)には差は認められなかった。
しかし、HRRとHFに関しては高い異質性が認められた(研究間のばらつきが大きい)。
だそうです。
ただし、研究方法にバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
運動ベースの心リハは、自律神経機能を改善することができる。
ということになります。
心リハを行う際に自律神経機能障害があると、心拍数や血圧などのコントロールが不十分となるため、非常にハイリスクな状態になります。
ハイリスクだと運動療法を控えがちですが、リスク管理を十分行って運動療法を行うことで、自律神経機能障害を改善できるかもしれません。
リスク管理能力が大切ですね。