高齢者が増加するに伴い、フレイル高齢者の増加が問題になっており、厚生労働省もその対策に乗り出しています。
身体的フレイルに対しては運動介入が効果的であることが報告されています(こちら)。
しかし、これまでの調査では長期間な介入と健康上の問題や不良転帰などとの関連は明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「高齢者の長期間運動介入は安全なの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2020年にスペインのGarcía-Hermosoらの研究チームは、2019年9月までに登録されている99本の論文を解析しています。
結果として、
健康上の問題と死亡率は、介入群と対照群で差はなかった。
健康上の問題と死亡率に、年齢、SPPB、歩行速度、認知機能は関連していなかった。
長期的な運動介入は、転倒、転倒関連の外傷、認知機能、身体機能を改善させた。
だそうです。
ただし、研究方法にバラつきがあるため、更なる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
高齢者に対する長期的な運動介入は、有害事象なく転倒予防、認知機能・身体機能を向上させる。
ということになります。
運動介入で問題となるのがドロップアウトですが、今回の結果では、介入期間はドロップアウトに関係ないようです。
ドロップアウトは多様な原因があると思いますので、個人個人に合わせたドロップアウト予防が必要だと思います。