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冠動脈疾患患者の身体活動量に音楽は効果的なの?

冠動脈疾患患者の心臓リハビリテーション(CR)では、運動が効果的なことが報告されています(こちら)。
しかし、CRを継続することには課題が多く、多くの患者は身体活動ガイドラインの推奨量を満たしていないことが報告されています(こちら)。
運動を継続する手段の一つに音楽がありますが、冠動脈疾患患者の身体活動量に効果的かどうかは明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「冠動脈疾患患者の身体活動量に音楽は効果的なの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。

2020年に香港のChairらの研究チームは、2020年1月までに登録されている7本の論文を解析しています。
結果として、
CRへの参加率は、2件中1件で音楽による改善効果が認められた。
身体活動量は、測定している論文が1件だけだったが、音楽により身体活動量を維持する割合が高かった。
自覚的疲労感は、3件中2件で音楽により改善効果が認められた。
運動耐容能は、3件中1件で音楽による改善効果が認められた。
運動時の心拍数は、2件中1件で音楽による増加効果が認められた。
ウエスト周径は、2件中1件で音楽による減少効果が認められた。
気分は、3件中2件で音楽による改善効果が認められた。
認知機能(流暢性)は、測定している報告が1件のみだったが、音楽による改善効果が認められた。
健康関連QOLは、音楽の有効性は認められなかった
だそうです。
ただし、それぞれの研究の質は低く、研究間で調査方法にバラつきがあるため、更なる研究が必要だそうです。

音楽というのは、コストをかけずに誰でも導入できる方法なので、取り入れやすい方法なのではないかと思います。
ただ、その効果についてはまだまだ調査が必要な段階なので、適応を考え、実際に効果が出ているか慎重に評価する必要があると思います。

この記事のライター
宇野勲先生