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TKA、THAの術後早期からの漸増的筋力トレーニングが有効なの?

高齢化を背景に、世界的に変形性関節症(OA)の患者数は増加しており、アメリカでは2030年までに人工膝関節置換術(TKA)の需要は673%、人工股関節置換術(THA)の需要は174%増加すると言われています(こちら)。
TKA、THAともに、術後早期からの漸増的筋力トレーニング(PRT)の有効性が言われていますが、通常のリハビリテーション(SR)と比較して効果的かどうかについては明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「TKA、THAの術後早期からの漸増的筋力トレーニングが有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。

 

2021年に中国のChenらの研究チームは、2020年5月までに登録されている15本の論文を解析しています。
結果として、
6分間歩行は、TKA、THAともに、PRTとSRに差はなかった
Time and Up Goテストは、TKA、THAともに、PRTとSRに差はなかった
段差昇降テストは、TKA3か月時点でのみ、PRTはSRよりも効果的であった。
膝伸展筋力は、TKA、THAともに、PRTとSRに差はなかった
起立着座テストでは、TKA、THAともに、PRTとSRに差はなかった
だそうです。
ただし、対象者や介入内容など研究方法にバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。

 

TKAやTHAの術後リハは、特別に筋力トレーニングを強化する必要はなさそうですね。
OAでは術前に学習された異常動作の修正が必要なことも少なくなく、筋力や身体機能だけでなく運動学習も必要になってくる場合もありますので、患者さんに合わせて必要なリハプログラムを検討することが大切かもしれません。

 

 

この記事のライター
宇野勲先生