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非監視下での運動は骨密度に有効なの?

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栄養, 自主トレ, 骨密度 |2022.08.05|最終更新:2022.08.06|理学療法士が監修・執筆しています

はじめに

 

骨粗鬆症は骨量の低下と骨組織の微細構造の劣化を特徴としており、骨折リスクを高める疾患で、50歳以上の女性の3人に1人、男性の5人に1人が一生のうちに骨粗鬆症性骨折を経験すると言われています[1]。
骨粗鬆症の予防と治療には様々な介入方法がありますが、運動は安全で低コストかつ効果的な介入方法と考えられています[2]。
運動方法については、監視下での運動についての有効性は複数報告されていますが、時間や交通手段の不足によって運動継続が難しい場合があることが報告されています[3]。
しかし、骨粗鬆症の予防、治療に非監視下での運動が有効かどうかは明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「非監視下での運動は骨密度に有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です[4]。

研究概要

 

2022年にスペインのTrigoらの研究チームは2021年8月までに登録されている10本の論文を解析。

対象

 

対象者数:668名(26-97名)
平均年齢:38~77歳
運動内容:ジャンプ、スキップ、速歩、太極拳、片脚立位
介入期間:6か月~2年間
頻度:連日3回~週3回

結果

全体

効果あり 効果不明
  • 腰椎骨密度
  • 大腿骨頸部骨密度

サブグループ解析

閉経前or後

効果あり 効果不明
  • 閉経前女性の大腿骨頸部骨密度
  • 閉経前女性の腰椎骨密度
  • 閉経後女性の腰椎骨密度
  • 閉経後女性の大腿骨頸部骨密度

介入期間

効果あり 効果不明
  • 1年未満の介入の腰椎骨密度
  • 1年以上の介入の腰椎骨密度
  • 1年未満の介入の大腿骨頸部骨密度
  • 1年以上の介入の大腿骨頸部骨密度

骨粗鬆症の有無

効果あり 効果不明
  • 骨粗鬆症ありの腰椎骨密度
  • 骨粗鬆症ありの大腿骨頸部骨密度
  • 骨粗鬆症なしの腰椎骨密度
  • 骨粗鬆症なしの大腿骨頸部骨密度

ただし、研究数が少なく、研究間のバラつきも大きいため、更なる研究が必要と述べられています。

まとめ

骨密度をターゲットにした非監視下の運動介入は、対象者によって効果に違いがあるので、対象者を選定した上で実施した方が良さそうです。
コロナ禍で集合型の運動介入が難しい状況ですし、地方では交通手段がなくて集合型への参加が難しい方も少なくないと思いますので、非監視下での運動介入を効果的に活用できる環境の整備が必要になってくるかもしれません。

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参考文献

[1] Sözen, et al. Eur J Rheumatol. 2017 Mar;4(1):46-56.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28293453/

[2] Beck, et al. J Sci Med Sport. 2017 May;20(5):438-445.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27840033/

[3] Rodrigues, et al. Osteoporos Int. 2017 Mar;28(3):735-745.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27714441/

[4] Sanchez-Trigo, et al. Osteoporos Int. 2022 Jul;33(7):1415-1427.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35218402/

 

この記事のライター
宇野勲先生