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コロナ, 呼吸リハビリテーション|2022.06.18|最終更新:2022.06.18|理学療法士が監修・執筆しています
✅ SARSに対する呼吸リハビリは、運動耐用能・呼吸機能の改善に有効。 |
はじめに
重症急性呼吸器症候群(SARS)はコロナウイルスによって急速に生じる呼吸器症候群で、SARS-CoV-1、SARS-CoV-2(COVID-19)が世界的な脅威となっています[1]。
SARS-CoV感染時のリハビリテーションについてはコンセンサス論文が出されるなど、有効性が検討されています[2]。
しかし、いずれも患者データに基づく調査が不足しており、SARSに対する呼吸リハビリテーションの有効性については明確になっていませんでした。
今回紹介する論文は「SARSに対する呼吸リハビリテーションは有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です[3]。
研究概要
2022年にインドのBarmanらの研究チームは2021年7月までに登録されている21本の論文を解析しています。
対象
対象者数:996名
平均年齢:37.1歳~70.5歳
調査環境:入院、ICU、外来、自宅
介入期間:1週間~6週間
介入内容:呼吸筋トレーニング、持久力トレーニング、筋力トレーニング、リラクゼーション、作業療法、動作指導、心理的サポート
結果
効果あり | 効果不明 |
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|
ただし、介入研究が少なく、調査期間や対象者が少ないため、更なる研究が必要と述べられています。
まとめ
SARS発症時には、呼吸リハビリテーションを行うことで運動耐容能と呼吸機能の改善が得られるようですね。
ADLやQOLへの効果が不明な点は残念ですが、今後調査が増えていけばADLやQOLに対する有効性も認められる可能性はあると思いますので、今後の調査に期待しています。
本記事の執筆・監修・編集者
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地域在住高齢者では、70分/回×週2回×16週間の運動介入を行うと、プレフレイルの46%、フレイルの50%がそれぞれロバストやプレフレイルまで改善したそうです。https://t.co/E0fiqzFPr7
— Isao Uno(宇野勲)@リハ栄養学会2023実行委員長 (@isao_reha_nutri) June 2, 2022
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参考文献
[1] Hodgens, et al. Severe acute respiratory syndrome. StatPearls. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2021.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK558977/
[2] Nasa, et al. Crit Care. 2021 Mar 16;25(1):106.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33726819/
[3] Barman, et al. Heart Lung. May-Jun 2022;53:11-24.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35108624/