高血圧症は全世界で有病者数が増加しており、1999-2000年に8700万人だったのが、2015-2016年には1億802万人になっています(こちら)。
高血圧の管理方法として、家庭訪問の有効性が言われていますが、その有効性はまだ明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「高血圧患者に対する家庭訪問プログラムは効果があるの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2021年に中国のMaらの研究チームは、2019年9月までに登録されている13本の論文を解析しています。
結果として、
収縮期血圧および拡張期血圧に対しては通常ケアと比較して、6か月介入(MD=-5.63)、12か月介入(MD=-4.75)は有効性を示したが、3か月介入では有効性が認められなかった。
BMIに対しては、家庭訪問プログラムの有効性は認められなかった。
腹囲に対しては、家庭訪問プログラムによる介入の有効性が認められた(MD=-2.61)。
体重に対しては、家庭訪問プログラムの有効性は認められなかった。
血中脂質に対しては、家庭訪問プログラムの有効性は認められなかった。
だそうです。
ただし、介入方法や期間などにバラつきがあり、生活習慣の評価が十分でないなど課題があるため、さらなる研究が必要だそうです。
この調査に含まれているプログラムは看護師が主ですが、訪問リハなどで家庭を訪問する療法士は多いと思いますので、高血圧をお持ちの利用者さんのご家庭を訪問する療法士は、家庭に赴き服薬状況や血圧、全身の状態を確認することが利用者さんの健康維持に大切だという認識を持っても良いかもしれません。