経営, 管理, 未来|2022.07.04|最終更新:2022.07.04|MHAが執筆しています
✅ 現在は「注意深さ・ミスがないこと」、「責任感・まじめさ」が重視されている ✅ 将来は「問題発見力」、「的確な予測」、「革新性」が求められる |
序文(はじめに)
「どんな勉強をしたら良いかわからない」、「自分は能力を高めていきたい」。
そんな想いを持たれている方は多いと思います。
今回は、経済産業省がまとめた「未来人材ビジョン」をご紹介します。
お断りを致しますが、今回の内容は、これからこうしよう!という生ぬるいものではありません。
そうしないと生き残れない(必要とされない)という社会になるということを念頭に置かれてください。
問題意識
AI等により自動化・機械化が進んでいます。その結果、労働市場の両極化も進んでいます。
労働市場の両極化とは、サービス業(低スキル)と、管理・専門・技術といった高スキルの労働者に二分するということです。
医療・介護の対人サービスはサービス業でもあり、専門・技術職でもあるため、AIに置き換えられる可能性は低いです。
また人口減少が進んでいるため、2050年(約25年後)には生産年齢人口が2/3に減少していると推定されています。
つまり、街中で見かける15〜64歳の3人に1人がいなくなると思っていただけると実感がわくと思います。
働き手、という意味ではいわゆる元気高齢者(元気な65歳以上)が増えることも予想されています。
そのため、生産年齢人口の減少がそのまま働き手の減少を意味しているわけではありません。
労働需要の推計
現在は「注意深さ・ミスがないこと」、「責任感・まじめさ」が重視されています。
しかし今後は、「問題発見力」、「的確な予測」、「革新性」が求められるようになります。
また労働市場も、事務職や販売職は減少する一方、エンジニアや対人サービス職は増加すると推定されています。
当然ながら外国人労働者も求められているため、「多様性を受容し他者と協働する能力」が必要になることは言うまでもありませんね。
雇用・人材育成
日本の労働市場の特徴は、エンゲージメントが世界最低水準、現在と職場で働き続けたいと考える人が少ない、しかし転職や起業の意向を持つ人が少ない、です。なんとも元気がないですね。昇進するスピードが他国より遅く、転職しても賃金が増加しない構造がそうさせているのでしょう。
また人材投資も米国の1/5程度であり、社外学習や自己啓発を行っていない人の割合は他国の2倍以上です。これもまた残念な状態です。
なんと言っても、「働き手の自律性を高める」方向性が外せません。
教育
上記を受けて、教育に関する提言がなされています。
それは、「知識」の習得と、「探究(”知恵”)力」の鍛錬です。
つまり、自ら学び、問いを立て、学びを深める力です。これらの力を高める教育へシフトします。
締め文(まとめ)
いかがでしたでしょうか?
冒頭でもお伝えしましたが、この内容は未来のおとぎ話ではありません。
これから現実に起こる変化です。
教育のところを読まれてどう感じましたか?子どもたちはそんな風に育つのか、と前向きに思われたと思います。
では見方を少し変えてみましょう。
提案された教育を受けた子どもたちが社会で力を発揮するのは何年後ですか?
早くて5年後、遅くとも15年後です。
皆さんは15年後、引退されていますか?おそらくまだ働かれていると思います。
ということは、彼らは仲間でありライバルです。
皆さんは彼らとどう戦いますか?地位で押さえつけますか?違いますよね。
彼らの可能性を邪魔せず、自分達の経験や知識を共有して、より良い仕事を創っていくことですよね。
そんな自分でいるために、今から準備しておきましょう!
参考文献
1:経済産業省:未来人材ビジョンhttps://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220531001/20220531001-1.pdf?fbclid=IwAR0FjOosQeo-DsH1WVMjdL6Z_PNjJmWcX–l3eAISJbqo9rPWzc02JpE1S0
2:経済産業省:人材版伊藤レポート2.0 https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinteki_shihon/pdf/report2.0.pdf
用語解説
革新性:新たな方法を作り出す能力
生産年齢人口:15歳〜64歳までの人口
エンゲージメント:個人と組織の成長の方向性が連動していて、互いに貢献し合える関係
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本記事の執筆・監修・編集者
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— 梅木駿太|Re-FREE 代表 (@shunta_umeki) June 28, 2022
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