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教育担当になって孤独を感じたときの対処法【PT・OT・ST向け】

序文(はじめに)

「後輩指導の悩みを、当の後輩には相談できない」
「上司に話しても、現場の細かな苦労まではなかなか伝わらない」
「管理職と若手の板挟みになり、組織の中で自分だけが孤立しているように感じる」

教育担当という役割を担うようになってから、このような言いようのない「孤独」を感じている方もおられるのではないでしょうか。チームの成長を願う強い責任感とは裏腹に、誰にも本音を共有できず、一人で奮闘しているような感覚。それは、あなたが教育という仕事に真摯に向き合っているからこそ訪れる、特有の苦しみなのかもしれません。

この記事では、そんなあなたの孤独感にそっと寄り添い、その状況を少しでも和らげるための具体的な3つの対処法をご紹介します。一人で抱え込まず、自分自身を大切にするためのヒントとなれば幸いです。

1.「同じ立場の仲間」と意図的につながること

職場で感じる孤独の多くは、「この大変さを分かってくれる人がいない」という感覚から生まれます。あなたのその悩みは、同じ役割を担う人にしか分からない、極めて専門的なものなのです。

そこでまず試していただきたいことは、院内や地域、あるいはオンラインのコミュニティで、「自分と同じ立場の仲間」を意図的に見つけ、つながることです。研修会で知り合った同業者や、他部署の教育担当者でも構いません。

「うちではこんなことで悩んでいるのだけど、〇〇さんの所ではどうですか?」と、勇気を出して声をかけてみてください。具体的な解決策が見つからなかったとしても、「自分と同じように悩んでいる人がいる」と知るだけで、心の負担は大きく軽減されます。孤独とは、物理的な距離ではなく、心理的な距離から生まれるものです。意識的に仲間を探す行動が、あなたの心を救う第一歩となります。

2.「100点満点の教育」という幻想を手放すこと

「教育担当なのだから、全てにおいて完璧でなければならない」
「後輩の成長は、全て自分の責任だ」

このような過度な自己期待が、無意識のうちにあなた自身を追い詰め、孤独感を増幅させている可能性があります。しかし、考えてみてください。後輩の成長は、本人の課題が8割、あなたの関わりは2割程度かもしれません。100点満点の教育など、そもそも存在しないのです。

このプレッシャーから自分を解放するために、あなたの役割を「完璧な指導者」から「後輩が育つ環境を整える伴走者」へと再定義してみましょう。あなたがすべきことは、全てを教え込むことではなく、後輩が安心して失敗できる場を保障し、時々、道標を示すことです。

「今日は後輩の良いところを一つだけ見つけて伝えよう」――。一日の目標をそのくらい小さなものに設定し、できたら自分を褒めてあげる。その積み重ねが、あなたを過剰な責任感という孤独な檻から解き放ってくれます。

3. 自分の「悩み」や「葛藤」を、“素材”として後輩に提供すること

私たちはつい、「指導者は常に強く、迷いを見せてはいけない」と考えがちです。しかし、その完璧な仮面は、あなたと後輩との間に壁をつくり、あなたをさらに孤独にさせる原因となります。

時には、あなたの悩みや葛藤を、教育の「素材」として後輩に提供してみてはいかがでしょうか。これは、ただ愚痴をこぼすこととは全く異なります。例えば、難しいケースについて、「正直、私もこの先の進め方に少し迷っているんだ。あなたはこの状況をどう見る?」と、意図的に相談を持ちかけてみるのです。

あなたのその開かれた姿勢は、後輩に「先輩も悩むんだ」という安心感を与えると同時に、「自分もチームの一員として頼られている」という当事者意識を育みます。指導する側とされる側という一方通行の関係から、課題に共に立ち向かうパートナーへと変わることで、あなたの孤独感は「連帯感」へと昇華していくはずです。

まとめ

教育担当者が感じる孤独は、その役割の重さを物語る、勲章のようなものかもしれません。決して、あなたが弱いからではありません。後輩のために、チームのためにと、真剣に考え抜いているからこそ、その苦しみが生まれるのです。

どうか、一人で全てを背負わないでください。「同じ立場の仲間とつながること」「完璧を目指さないこと」「自分の葛藤を開示すること」。今日からできる、ほんの小さな工夫で、あなたの心は少しずつ軽くなるはずです。

まずは今日一日、難しい役割を懸命に務め上げたご自身を、心の中でそっと労ってあげることから始めてみませんか。あなたが自分自身の最大の味方でいてあげることが、孤独な戦いを乗り越えるための、何よりの力となるのです。

参考文献

Rose T. Dunn: Dunn and Haimann’s Healthcare Management, Eleventh Edition

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執筆│梅木  編集│西口 監修│

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