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予後に影響する心リハの構成要素は何?というお話し

心疾患は日本人の死亡原因の第2位となっているのは、皆さんご存知のことだと思います。

心臓リハビリテーション(心リハ)の効果に関しては、2017年にイギリスのvan Halewijnらの研究チームがメタ解析を行っており、心リハを行うと全体の死亡率は減少しませんでしたが、心血管疾患による死亡(58%)心筋梗塞による死亡(30%)、脳血管イベント発生(60%)減少させる効果があることが報告されています(こちら)。

 

心リハは複数の要素から構成されているわけですが、どの構成要素が死亡率や入院などの予後に関連しているかについては明らかになっていませんでした。

今回紹介する論文は、「予後に影響する心リハの構成要素は何?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。

2018年にカナダのKabboulらの研究チームは、2017年4月までに登録されている148本のRCT論文を解析しています。

含まれている心リハの構成要素は、栄養カウンセリング(NC)、危険因子の管理(RFM)、心理社会的マネジメント(PM)、患者教育(PE)、運動(ET)でした。

 

結果として、

 

  • 死亡率を減少させる要素は、PM(ハザード比(HR):0.68)、ET(HR:0.75)だった。
  • 入院を減少させる要素は、PM (HR:0.76)だった。
  • 心筋梗塞発生率を減少させる要素は、PM(HR:0.68)、PE(HR:0.68)、ET(HR:0.75)だった。

 

そうです。

 

ただし、対象者や介入方法にバラつきがあるため、さらなる研究が必要であるそうです。

 

結果をまとめますと、

 

  • 心理社会面に対する介入は、死亡率、入院、心筋梗塞発生率を減少させる。
  • 運動は、死亡率と心筋梗塞発生率を減少させる。
  • 患者教育は、心筋梗塞発生率を減少させる。

 

ということになります。

 

心リハの中では心理社会的なサポートが最も効果が高く重要ということですね。

過去の報告でも、心疾患患者の予後不良に心理社会的因子が関連していることは明らかとなっているので、やはり心理社会面を考慮した介入方法を考えなければいけないですね。