肺炎は死因第3位の疾患であり、高齢者がその96.8%を占めると報告されている。
2016年に聖マリアンナ医大のYagiらは、入院後7日以内に開始された誤嚥性肺炎患者の早期リハビリテーションがADL能力改善を促進することを報告している(こちら)
しかし、市中肺炎に対しての早期離床の効果については不明でした。
今回紹介する論文は「市中肺炎患者の早期離床は効果があるの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2019年にロンドン健康科学センターのLarsen らは、2017年1月までの期間に登録された4本の論文を解析しました。
早期離床の定義は、「24時間以内に20分以上の離床」としました。
結果として、
早期離床は通常ケアと比較して
- 死亡率、再入院率、救急搬送率は減少させなかった
- 平均在院日数は減少した
だそうです。
ただし、対象者や介入方法が異なるため、さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
- 市中肺炎患者の24時間以内の20分以上の早期離床は、入院日数を減らせるが、死亡率、再入院率、救急搬送率には影響しなかった
ということになります。
急性期の市中肺炎患者では、24時間以内に20分以上の離床は過負荷になる可能性があるかもしれません。
最近は、脳卒中でもあまり早すぎる離床は良くないという報告が出されています。
とりあえず離床をするのではなく、患者の状態に合わせて離床を進める必要がありますね。