心不全患者では、慢性的な炎症状態から悪液質の状態に陥り、サルコペニアになることが言われています(こちら)。
サルコペニア対策には、タンパク質や必須アミノ酸の摂取が有効と考えられていますが、その有効性に関しては明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「心不全患者にタンパク質や必須アミノ酸は効果あるの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2019年にイギリスのNicholsらの研究チームは、2018年8月までに登録されている6本の論文を解析しています。
結果して、
- 筋力は向上しなかった。
- BMIは向上したが、対照群と差がなかった。
- 筋肉量は向上し、対照群よりも向上していた。
- 運動耐容能は向上し、対照群よりも向上していた。
- QOLは改善し、対照群よりも改善していた。
だそうです。
ただし、方法にバラつきがあり対象者も少ないため、さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
- 心不全患者のタンパク質または必須アミノ酸摂取は、筋力以外の運動パラメータおよびQOLを改善させる。
ということになります。
栄養摂取だけでは、筋力は向上しないということですね。
やはり筋力も増やすには、運動と栄養の組み合わせが必要ですね。