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膝蓋大腿関節痛(PFP)患者の感覚感受性は変化しているの?というお話し

膝蓋大腿関節痛(PFP)は,成人の22.7%に生じると報告されており(こちら),変形性関節症のリスク因子を言われています.

 

PFPでは感覚感受性に変化が生じていることが示唆されていましたが,明確には示されていませんでした.

 

今回紹介する論文は「PFP患者の感覚感受性は変化しているの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら).

2019年にイギリスのBartholomewらの研究チームは2019年4月までに登録されている11本の論文を解析しています.

 

各感覚について、PFP患者とコントロール患者と比較しています。

 

結果として、

 

  • 圧痛閾値は、有意に低下していた(SMD:-0.68)。

 

  • 触覚閾値は、有意に高くなっていた(SMD:1.35)。

 

  • 温覚閾値は、有意に高くなっていた(SMD:0.61)。

 

  • 冷覚閾値は、差は認められなかった

 

  • 圧痛閾値は、男性よりも女性の方がより低下していた(SMD:-0.75)。

 

  • メタ回帰分析の結果、圧痛閾値は年齢と有意に関連していた(局所(β:-3.9)遠位(β:-2.63))。

 

  • 圧痛閾値は、罹患期間とは関連していなかった

 

だそうです。

 

ただし、研究方法にバラつきがあり、数も少ないため、さらなる研究が必要だそうです。

 

結果をまとめますと、

 

  • PFP患者では痛み刺激に過敏になり、他の感覚は鈍くなっている。

 

ということになります。

 

全体的に感覚が過敏になるのではなく、痛覚のみ過敏になって他の感覚が鈍麻するのは興味深いですね。

 

痛みによる不動が受容器の機能不全を誘発している可能性も考えられていますが、痛覚が優位になりすぎて他の感覚閾値が上がったことも考えられるのではないかと思います。