高齢者の低栄養は、死亡率や入院期間の延長につながり、医療コストの増大にもつながっています(こちら)
低栄養のリスク因子については様々な調査が行われていますが、社会的および経済的要因については、まだ明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「高齢者の低栄養に関連する社会・経済的要因は?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2020年にスペインのBesora-Morenoらの研究チームは、2018年12月までに登録されている16本の論文を解析しています。
結果として、
低い教育レベル(OR=1.48)、独居(OR=1.92)、配偶者なし(OR=1.73)、低所得(OR=2.69)は、低栄養のリスク因子だった。
だそうです。
ただし、研究間で評価方法や調査方法にバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。
在宅での低栄養予防は、入院患者と比較して関連する背景因子が多様なので難しいですね。
教育レベル、所得、同居人などは、他人ではどうしようもできない因子なので、社会・経済的にハイリスクの人に対しては、ハイリスクであることを認識して支援策を講じる必要があると思います。