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言いにくい指摘を伝えるときのコツ【PT・OT・ST向け】

序文(はじめに)

「あのスタッフの言葉遣い、少し気になったけれど、指摘して関係が悪くなるのが怖い…」
「注意したいけれど、細かいことを言ううるさい先輩だと思われたくない」
「相手も一生懸命やっているのは分かるから、つい言い出せずに飲み込んでしまう」

後輩や部下を持つようになると、避けて通れないのが「言いにくいことを伝える」という場面です。特にリハビリテーションの現場は、チームワークが命です。人間関係の悪化を恐れるあまり、指摘を躊躇してしまうそのお気持ち、痛いほどよく分かります。

しかし、必要な指摘をしないことは、結果として患者さんの不利益につながったり、そのスタッフ自身の成長を止めてしまったりすることにもなりかねません。この記事では、相手のやる気を削ぐことなく、言いにくい指摘を建設的に伝えるための3つのコツをご紹介します。

1. 「人格」を否定せず、「事実」だけを切り取ること

指摘をするときに最も恐れるべきことは、相手が「自分自身を否定された」と感じてしまうことです。「あなたは責任感がない」「いつも雑だ」といった言葉は、相手の人格への攻撃と受け取られやすく、反発を招きます。

そこで意識することは、感情や評価を交えず、目に見える「事実(行動)」だけを切り取って伝えることです。

例えば、「移乗介助が雑だ」と伝えるのではなく、「移乗の際、フットレストに足が当たっていたよ」と伝えます。「報告が遅い」ではなく、「アクシデントから報告までに30分のタイムラグがあったね」と伝えます。事実だけを提示することは、相手に冷静な振り返りを促し、感情的な対立を防ぐ最も有効な方法です。

2. 「なぜ」と攻めず、「次はどうする」を問うこと

ミスや気になる行動があったとき、私たちはつい「なぜ、そんなことをしたの?」と原因を追及したくなります。しかし、「なぜ」という問いかけは、相手にとって「言い訳」を探させる言葉になりがちで、萎縮させてしまいます。

言いにくいことを伝えるときこそ、視点を過去ではなく未来に向けることが重要です。「なぜ」ではなく、「次はどうすれば防げると思う?」と問いかけてみてください。

「なぜ転倒させたの?」ではなく、「次に同じ状況なら、どういう位置取りをする?」と聞く。未来の行動に焦点を当てることは、相手を「責められる対象」から「一緒に解決策を考えるパートナー」へと変えます。この転換が、指摘を受け入れる心理的なハードルを大きく下げます。

3. 指摘の目的を「患者さんの利益」に置くこと

「私のやり方に合わせてほしい」というニュアンスで伝えると、相手は「先輩の好みの問題ではないか」と感じてしまうことがあります。これでは、納得感のある指摘にはなりません。

伝える際のコツは、その指摘が「私のため」でも「あなたのため」でもなく、「患者さんのため」であることを主語にして伝えることです。

「私が気になるから直して」ではなく、「あの介助方法だと、患者さんに余計な緊張が入ってしまうリスクがあるから、こう変えてみよう」と伝えます。お互いの共通の目的である「患者さんの利益」を軸にすることは、指摘を個人的な注意から、プロフェッショナルとしての建設的な議論へと昇華させます。

おわりに

言いにくい指摘をすることは、誰にとっても勇気がいることです。しかし、あなたがその一言を伝えるのは、相手を傷つけたいからではなく、より良いリハビリを提供したいという誠実な想いがあるからこそです。

「事実を伝えること」「未来志向で話すこと」「患者さんを主語にすること」。これらの技術は、あなたのその誠実な想いを、誤解なく相手に届けるための助けとなります。

嫌われることを恐れず、まずは明日の現場で、事実を一つだけ冷静に伝えてみることから始めてみませんか。あなたのその勇気ある行動が、スタッフの成長を促し、結果として患者さんの笑顔を守ることにつながります。あなたの言葉には、現場を変える力があるのです。

参考文献

Rose T. Dunn: Dunn and Haimann’s Healthcare Management, Eleventh Edition

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執筆│梅木  編集│西口 監修│

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