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どの抗精神病薬の使用が肺炎リスクと関連しているの?というお話

抗精神病薬の使用は高齢者の肺炎のリスク因子であることは広く知られています(こちら)。

 

しかし、薬剤の種類で肺炎リスクが異なるかについては明らかになっていませんでした。

 

今回紹介する論文は「どの抗精神病薬の使用が肺炎リスクと関連しているの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら

2018年にイギリスのDzahiniらの研究チームは2016年4月までに登録されている19本の論文を解析しています。

 

結果として、第2世代抗精神病薬(SGAs)と第1世代抗精神病薬(FGAs)は、肺炎リスクと関連していた(OR=1.93、1.69)。

 

SGAsとFGAsとの間には、肺炎リスクに差はなかった

 

クロザピン、ハロペリドール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ゾテピンは、肺炎リスク増加と関連していた。

 

アミスルピリド、クロルプロマジン、スルピリド、ピパンペロン、ズクロペンチキソールは、肺炎リスク増加とは関連していなかった

 

抗精神病薬の使用は、使用していない場合と比較して、肺炎死亡率が高かった(RR=1.50)。

 

だそうです。

 

ただし、研究方法にバラつきがあり、対象者数も少ないため、更なる研究が必要だそうです。

 

結果をまとめますと、

 

クロザピン、ハロペリドール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ゾテピンの使用は肺炎リスクを高める。

 

ということになります。

 

抗精神病薬は、高齢者で処方されている方は少なくありません。

 

高齢者では肺炎が死亡原因となるので、肺炎予防として使用薬剤を確認することは大切だと思います。