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ガイドラインに準じた脳卒中リハは有効なの?というお話

Evidence based medicine(EBM)は、現代社会の医療にとって、当たり前のことになってきています。

 

リハビリテーション分野でも様々な研究がなされており、日本理学療法士協会を始め各団体からガイドラインが作成されています。

 

しかし、日本の理学療法士を対象とした調査では、ガイドラインを利用していると回答した割合が約3割だったことが報告されています(こちら)。

 

この結果には、ガイドラインの利用が治療に役立つのかよくわからないことが関係している可能性があります。

 

今回紹介する論文は「ガイドラインに準じた脳卒中リハは有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。

2020年にオーストラリアのDina Pogrebnoyらの研究チームは、2018年8月までに登録されている8本の論文を解析しています。

 

結果として、

 

アメリカ脳卒中協会の身体活動ガイドラインに沿った運動プログラムを行うことで、歩行速度(平均差0.07m/秒)、持久力(平均差51.1m)、TUG(標準化平均差0.57)に改善が認められた。

 

段差昇降テスト、起立着座テスト、身体活動量は変化しなかった。

 

だそうです。

 

ただし、研究参加者が少なく、方法にもバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。

 

ガイドラインに基づかない医療を行うと、訴訟を起こされた際に裁判で負ける可能性が高くなります。

 

医療の質を改善させるだけでなく、自らの身を守るためにも、ガイドラインを活用することは大切なことだと思います。

 

もちろん、ガイドラインに書いてあることをそのままやればいいというわけではなく、患者さんの価値観や現場の環境を統合して治療方法を選択していく必要があります。