人が集まると、それぞれの個人の能力が足し算されるのでしょうか。
じつはそうではないことが証明されています。
綱引きで実験を行い、人数と1人当たりの頑張り具合を調べてみたところ、チームの数が増えるにつれて一人当たりの頑張り具合が減ることがわかりました。
なんと8人対8人の場合、1人当たりの頑張りは、1人対1人の時の半分しかなかったのです。
これをリンゲルマン効果と呼びます。
人が増えると手を抜くということから、社会的手抜きとも呼ばれます。
ではどうしたらこのような現象を防げるのでしょうか。
リンゲルマン効果の原因は、「誰かがやってくれる」にあるそうです。
そのため、一人一人の責任を明確にすることや、作業を可視化することが有効です。
責任の所在を明確にし、作業を可視化することで互いの作業が見えるようになります。
これが相互監視の効果を生み、社会的手抜きを回避できます。
強すぎるプレッシャーは逆に力が出せなくなりますので、ほどほどに。
チームの力を最大化するための戦略は、
「責任の所在を明確にし、適度な監視を設ける」
となります。
参考:
Kravitz DA, et al:Ringelmann Rediscovered: The Original Article. J Pers Soc Psychol. 1986, Vol. 50, No. 5, 936-941