パーキンソン病患者では誤嚥性肺炎の合併率は35%と報告されており、82%で嚥下障害が認められたと報告されています(こちら)。
しかし、パーキンソン病の嚥下障害に対しての有効な介入方法については明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「パーキンソン病の嚥下障害に有効な治療法は?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2019年に韓国のParkらの研究チームは、2015年12月までに登録された9本の論文を解析しています。
結果として、
- 嚥下訓練は、嚥下機能を改善させる。
- 電気治療は、対照群と比較して嚥下機能を改善させる効果は認められなかった。
- 姿勢調整や食形態調整は、有効かどうか明らかにならなかった。
だそうです。
ただし、研究数が少なく方法にもバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
- パーキンソン病の嚥下障害には嚥下訓練が有効であり、電気治療や姿勢・食形態調整は有効性が認められなかった。
ということになります。
運動学的、解剖学的に見て有効そうでも、実際にデータを取ってみると、他にも関連する因子が複数存在することで有効性が認められないことは少なくありません。
あらゆる因子を考慮した上で、治療法を選択するのがよいと思います。