高齢者の増加とともに、外傷患者でも高齢化が進んでいます。
高齢外傷患者では、若年者と比較して死亡リスクが高いことが報告されています(こちら)
高齢者のフレイルは様々な疾患の予後不良因子ですが、外傷患者でも当てはまるかどうかは明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「フレイルと外傷後の予後との関連性は?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)
2020年に中国のZhaoらの研究チームは、2019年10月までに登録されている13本の論文を解析しています。
結果として、
フレイルは、30日以上の死亡率(OR=2.41)、院内および30日以内の死亡率(OR=4.05)、術後合併症(OR=2.23)、Clavien-Dindo分類Ⅳの合併症(OR=4.16)、有害事象による退院(OR=1.80)、再入院(OR=2.16)と有意に関連していた。
だそうです。
ただし、フレイルの診断基準や各研究の参加者にバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
フレイルは外傷後の予後不良因子である。
ということになります。
フレイルの外傷患者に対して、どのような介入が効果的かについては明らかになっていませんが、予後が悪いということを前提にして、慎重に対応することが大切だと思います。