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フレイル高齢者にたんぱく質摂取は効果あるの?というお話

高齢者ではフレイルが社会問題になっていますが、フレイルに関連する因子としてたんぱく質摂取量が減少していることが考えられています。

 

高齢者では若年者よりもたんぱく質代謝能力が低下していたり、種々の疾患によってたんぱく質需要量が増加したりしており、最低摂取量として1.0~1.2g/kg/日が推奨されています(こちら)。

 

しかし、フレイル高齢者のたんぱく質摂取量を増やすことで筋肉量や身体機能が改善するかについては明確になっていませんでした。

 

今回紹介する論文は、「フレイル高齢者にたんぱく質摂取は効果あるの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。

2020年にオーストラリアのOktavianaらの研究チームは、2019年7月までの期間に登録された8本の論文を解析しています。

 

運動と組み合わせての効果を調査した論文は除外されています。

 

結果として、

 

筋肉量、筋力、身体機能全てで、たんぱく質摂取単独の効果は認められなかった

 

だそうです。

 

ただし、研究方法にバラつきがあり、研究数が少ないため、さらなる研究が必要だそうです。

 

健常高齢者に対して、エネルギー摂取量を増やしたりたんぱく質摂取量を増やしたりする研究は、これまでも複数報告されていますが、効果はない、もしくは限定的という結果になっていました。

 

今回はフレイル高齢者が対象なので、たんぱく質摂取量を増やすと体組成や身体機能に良い効果が期待されていましたが、差はないという結果になってしまいました。

 

やはり、食事療法だけでフレイルを改善するのは難しく、運動との併用が重要ということだと思います。