フレイルは高齢社会の中で大きな社会課題となっています。
フレイル(ここでは身体的フレイル)の予防、対策については、運動と栄養介入が有効であることが、「フレイル診療ガイド」で示されています(こちら)。
しかし、どの介入方法がどのような効果があるかについては明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「フレイル高齢者への介入方法によって効果に違いがあるの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)
2020年にアイルランドのMacdonaldらの研究チームは、2019年6月までに登録されている31本の論文を解析しています。
結果として、
フレイル状態に対しては、運動+栄養介入、運動+栄養教育、運動単独、高齢者総合評価に基づく介入で改善が認められたが、栄養介入単独では効果は認められなかった。
歩行速度に対しては、運動単独のみ改善が認められた。
下肢筋力に対しては、運動単独のみ改善が認められた。
握力、TUG、片脚立位バランスに対しては、有効な介入は認められなかった。
だそうです。
ただし、研究方法にバラつきはあるため、さらなる研究が必要だそうです。
対象者の栄養状態によると思いますが、運動単独介入でも十分効果は認められるようですね。
低栄養の対象者であれば、栄養介入や栄養教育は重要な内容となってくると思いますので、対象者がどのような状態なのかというところの評価を行い、介入方法を検討する必要があると思います。