組織行動のマネジメントにおいて、 実験的な手続きを経たものは多くありません。
数少ないマネジメント実験研究として、 このホーソン実験が挙げられます。
1930年前後にハーバード大学が中心となって行った研究で、
対象とした工場の名称がホーソン工場であったことから、 ホーソン実験と呼ばれています。
この実験は、選別、面接調査、チームの3つで構成されています。
まず100人の女性作業員のうち2名が選別され、 さらにその2名が4名を選抜した6名が対象となりました。
賃金を変えたり、室温を変えたりと、色々と作業条件を変えたが、 この6人の生産性は高いままだった。
なぜか?
ここでの解釈は、6名に選ばれたという「誇り」。
しかもハーバード大学の研究に参加しているという「名誉」。
これらが影響しているのだろうと。
次に面接調査。
これはただ作業員の話を聞いただけ。
しかし面接前後で作業員の生産性が高まった。
これにより、行動よりも感情が優先されると解釈されました。
最後はチーム。
3つの作業台にそれぞれ4人ずつとなるように配置。
作業員同士の人間関係を調査しました。
その結果、仲間集団である「非公式組織」が存在し、
それが作業に重要な役割を果たしていることが明らかになりました。
以上の3つをまとめると、
- 人間は経済的成果よりも社会的成果を求める。
- 人間は合理的理由よりも感情的理由に左右される。
- 人間は公式組織よりも非公式組織の影響を受けやすい。
と言うことが明らかになります。
つまり、人間は独立的で打算的で合理的な「経済人」ではなく、
連帯的で献身的で感情的な「社会人」「情緒人」であると言うことです。
参考: