腰痛患者に対する運動療法に関して、様々な方法が検討されています。
その中で、マッケンジー法はその有効性が認められていますが(こちら)、他の治療法と比較して効果的かどうかは明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「マッケンジー法と体幹トレは、効果に差はあるの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2019年にイギリスのAlhakamiらの研究チームは、データベースに登録されている10本の論文を解析しています。
結果として、
マッケンジー法は他の運動と比較して、痛みを軽減したとする論文が1本、機能障害を軽減したとする論文が2本あった。
体幹トレは、他の運動と比較して、痛みを軽減したとする論文が2本、機能障害を軽減したとする論文が3本あった。
マッケンジー法と体幹トレの比較では、両方同程度の改善効果を示した。
だそうです。
ただし、介入方法にバラつきがあり、対象者も少ないため、更なる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
マッケンジー法と体幹トレは、痛みや機能障害に対して同程度の効果があり、他の運動よりも効果的であった。
ということになります。
日本では、腰痛に対する運動療法といえば体幹を安定させるための体幹トレが主流で、マッケンジー法はマイナーな印象があります。
マッケンジー法はセルフエクササイズや生活習慣の改善まで含めた認知行動療法的な要素も含んでいるので、もっと活用されてもよい治療オプションなのではないかと思います。