地域在住高齢者にとって、身体活動を増やすことは身体的、精神的、社会的能力を高めるだけでなく、疾患の予防にも有効です(こちら)
身体活動を増やすためには、運動を行って頂くことが有効に思われますが、在宅サービスを受けている高齢者に対する運動プログラムの効果については、見解が一致していませんでした(こちら)
今回紹介する論文は「在宅サービスを受けている高齢者に対する運動プログラムは効果あるの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)
2019年にオーストラリアのBurtonらの研究チームは、2012年10月から2018年8月までに登録されている18本の論文を解析しています。
結果として、
運動介入の内容は、筋力トレーニングとバランス練習を中心とした介入であった。
運動介入によって、歩行速度のみ改善が認められたが、TUG、5回椅子立ち上がりテスト、握力には効果がなかった。
だそうです。
ただし、介入内容にバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。
運動プログラムの効果が乏しいという結果は残念ですが、効果が出る人とそうでない人の間には、様々な要因が関係しているのではないかと思います。
今後は、介入内容や対象者の特徴、地域による効果の違いなどより具体的な部分が明らかになると良いですね。