変形性関節症において、肥満や過体重は運動時の関節への負担を増強させることで、発症や症状の進行の危険因子とされています(こちら)。
しかし、減量することで構造的に変化があるかどうかについては明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「減量すると関節の構造に変化はあるの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)
デンマークのDaugaardらの研究チームは、2019年4月までに登録されている14本の論文を解析しています。
結果として、
軟骨の厚さは、論文間でバラつきがあり、効果は明らかにならなかった。
軟骨の変性は、減量することで減少させた。
関節腔の幅は、減量で変化はなかった。
膝蓋下脂肪体は、減量でサイズが小さくなった。
滑膜炎は、減量の影響はなかった。
浸出液は、減量の効果はなかった。
だそうです。
ただし、研究間で研究方法や対象者にバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
減量すると、軟骨変性は減少し、膝蓋下脂肪体のサイズは小さくなる。
ということになります。
変形性関節症の指導として減量をよく言われていますが、構造的な変化は一部に限られるようですね。
減量以外にもリスク因子は多くありますので、広く指導することが大切だと思います。