何か問題が行った時にその原因について考えると思います。
ではそもそも原因とは何でしょうか?
そしてそれを引き起こしたのは誰でしょうか?
“正しい”原因はあるのでしょうか?
食中毒を例にとりましょう。
食中毒が発生したということは、
ある集団で消化器症状が出現したということになります。
皆さんがその対策を立てる時、どんな調査をしますか?
病原菌を同定しますか?
大切なことは、何のために原因を探るのか?ということです。
発生率を下げることを目的にしながら、
病原菌を同定しようとすると手遅れになります。
発生率を下げるのであれば、経路や食材を同定することが、
大切な情報となりますね。
このように目的を設定しなければ、原因を特定できないのです。
消化器症状を起こす原因は、体調不良なのかもしれません。
食べ過ぎの可能性もあります。
ストレスもありますね。
原因の階層は様々です。
限りなく原因と考えられるものが現れます。
しかし最後は至ってシンプルです。
原因を探る時には、目的を必ず設定しましょう!
参考資料:
KennethJ Rothman:ロスマンの疫学 第2版. 篠原出版新社.2013
津田敏秀:医学的根拠とは何か?.岩波新書.2013.