心不全患者に治療には、標準的な治療に加えて、補完的な治療に関する報告が多数されています。
その中でも、心血管疾患患者の75.4%が何かしらの栄養補助食品を使用していることが報告されています(こちら)
しかし、どの栄養補助食品が有効かについては明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は、「心不全患者に有効な栄養補助食品は?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2019年にオーストラリアのHopperらの研究チームは、2018年8月までに登録されている40本の論文を解析しています。
結果として、
- オメガ3系脂肪酸は、死亡率と心血管疾患による入院を減少させた。
- コエンザイムQ10は、死亡率と入院率を減少させる効果がある傾向はありましたが、明確な効果は明らかにならなかった。
- ビートルートジュース、サンザシエキス、マグネシウム、ビタミンC、D、E、L-アルギニン、L-カルノシン、L-カルニチンは、効果があるかどうか明らかにならなかった。
だそうです。
ただし、研究方法にバラつきがあり、対象者が少ないため、今後さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
- 心不全患者には、オメガ3系脂肪酸が効果的。
ということになります。
テレビや通販番組では、色々な栄養素の有効性が訴えられていますが、実際に効果があると証明されている栄養素は少ないのですね。
しかし、効果がないことが明らかになったわけではないので、実際に使ってみて効果を検証するのが良いのではないかと思います。