血管内皮前駆細胞(EPC)の数は、心血管機能と正相関しており、フラミンガムリスクスコアと逆相関していることが報告されています(こちら)
心血管疾患患者が運動を行うとEPC数が増える可能性が指摘されていますが、本当に増えるかはまだ明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「心疾患患者は運動でEPCが増えるの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)
2020年にポルトガルのCavalcanteらの研究チームは、2018年1月までに登録されている6本の論文を解析しています。
結果として、
運動トレーニングは、EPCを増加させました(ES=0.57)が、高い不均一性を示した。
サブグループ解析では、心不全では運動でEPCが有意に増加しましたが、不均一性が低かった。
動脈疾患では、有意な増加はなく、不均一性が高かった。
だそうです。
ただし、研究方法のバラツキがあり、対象者数も少ないため、更なる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
運動はEPC数を増やすが、バラつきが大きい。
ということになります。
EPCを外部から投与するという治療法もあるそうですが、運動でEPCが増えるのなら、コストを減らせることができる可能性がありそうですね。
EPCが増えると心血管リスクが下がるの、運動を薬剤と同じような位置づけにして、適切な運動処方をすることが大切だと思います。