運動ベースの心臓リハビリテーション(EBCR)は、身体機能、心血管死亡率、再入院率が改善することが明らかとなっています(こちら)。
しかし、健康関連QOL(HRQOL)については明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「急性冠症候群の心リハは健康関連QOLに影響するの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)
2020年にオーストラリアのCandelariaらの研究チームは、2019年3月までに登録されている14本の論文を解析しています。
結果として、
SF-36で評価されたQOLのうち、EBCR開始から6か月の時点で身体機能、身体パフォーマンス、健康状態、社会機能、精神衛生が改善していた。
EBCR開始から12か月時点では、身体機能、痛み、社会機能が改善していた。
だそうです。
ただし、特定の評価方法の調査しか含めておらず、対象者も少ないため、さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
EBCRは6か月、12か月時点でHRQOLの一部のドメインを改善させる。
ということになります。
EBCRは生命予後や機能予後を改善することは明らかになっていたので、今回HRQOLにも効果が認められたのは重要なことだと思います。
心リハがさらに広まり、心血管疾患患者のリハビリテーションがより良質なものになると良いですね。