慢性頸部痛を有する人は多く、年間に一般人口の30-50%と言われています(こちら)。
慢性頸部痛患者では、頸部の筋力が低下していることが報告されていますが、その逆も報告されており、見解は一致していませんでした。
今回紹介する論文は「慢性頸部痛患者は頸部筋力が低下しているの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2018年にブラジルのIã Ferreira Mirandaらの研究チームは、2017年10月までに登録されている15本の論文を解析しています。
結果として、
慢性頸部痛患者では、屈曲、伸展、左右側屈は、健常者と比較して筋力が低下していた。
だそうです。
ただし、研究方法にバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。
慢性頸部痛と筋力が関連しているかについては、ここでは調査されていませんが、筋力強化は慢性頸部痛改善の一つの手段かもしれません。
画像所見などで原因が特定されない場合には心理社会的因子なのではないか、といった安易な判断をされてしまうことがありますが、筋力が要因の一つである可能性を考慮する必要があると思います。