地域在住高齢者では、低栄養の人は約3%で、健康被害やQOLの低下、フレイルと関連があることが報告されています(こちら)。
地域在住高齢者の栄養状態は、スクリーニング方法によって異なる可能性がありますが、各スクリーニングの有効性については明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「栄養スクリーニングは何が有用なの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2019年にアメリカのIsautierらの研究チームは、2018年5月までに登録された35本を解析しています。
結果として、
- MNA-SFをカットオフ11点以下にした場合、感度95%、特異度95%だった。
- MNA-SF-V1(BMIを使用)をカットオフ11点以下とした場合、感度85%、特異度87%だった。
- MNA-SF-V2(下腿周囲長を使用)をカットオフ11点以下とした場合、感度85%、特異度84%だった
だそうです。
ただし、研究方法や対象者にバラつきがあるため、今後さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
- MNA-SFは、感度特異度ともに優れたスクリーニング方法である。
ということになります。
栄養スクリーニングには色々な方法がありますが、MNA-SFは体重や食事量など測定したり計算したりする項目が少ないので、臨床的にも一番良さそうですね。
ただ、あくまでスクリーニングなので、MNA-SFで引っかかった方に関しては、より詳細な検査が必要になるので注意しなければいけません。