日々の臨床にて根拠をもって対象者にあたる。
医療は相手の命や人生に大きな影響を与えますので、
当然のことですね。
ではこの根拠について改めて考えてみます。
病気の発症に関わる因子を遺伝子レベルで発見できた!
私が臨床に関わってきた感覚から、この因子が病気の発症に関わっていそうだ!
発症した群と発症しなかった群とを比較して、その因子を明らかにした!
皆さんはどれを根拠としますか?
ここで2つの知見をご紹介します。
まず国際がん研究機関による発がん物質に関する分類。
人を対象として認められた場合は、「人体における発がん物質」とすることに対し、
動物での証拠が認められた場合は、その根拠が十分であっても人で認められていなければ
「“おそらく”人体における発がん物質」までとなります。
またマックマスター大学のガイアットらが主導するEBMワーキンググループによると、
「根拠に基づいた医学は、直感、系統的でない臨床経験、
病態生理学的合理付けを、臨床判断に十分な基本的根拠としては重要視しない。
そして臨床研究からの根拠の検証を重要視する。」
これは1992年にアメリカ医師会雑誌に掲載され、EBM宣言とも呼ばれています。
人を対象としているかどうか。
まずはここで分けましょう!
参考資料:
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/400956
津田敏秀:医学的根拠とは何か.岩波新書.2013
津田敏秀:医学と仮説.岩波科学ライブラリー.2011