会員登録はこちら

まずは14日間無料体験
すべてのコンテンツが利用可能です

根拠を考えるための戦略。医学的根拠について考える

日々の臨床にて根拠をもって対象者にあたる。

医療は相手の命や人生に大きな影響を与えますので、

当然のことですね。

 

ではこの根拠について改めて考えてみます。

 

病気の発症に関わる因子を遺伝子レベルで発見できた!

私が臨床に関わってきた感覚から、この因子が病気の発症に関わっていそうだ!

発症した群と発症しなかった群とを比較して、その因子を明らかにした!

 

皆さんはどれを根拠としますか?

ここで2つの知見をご紹介します。

 

まず国際がん研究機関による発がん物質に関する分類。

人を対象として認められた場合は、「人体における発がん物質」とすることに対し、

動物での証拠が認められた場合は、その根拠が十分であっても人で認められていなければ

“おそらく”人体における発がん物質」までとなります。

 

またマックマスター大学のガイアットらが主導するEBMワーキンググループによると、

「根拠に基づいた医学は、直感、系統的でない臨床経験、

病態生理学的合理付けを、臨床判断に十分な基本的根拠としては重要視しない。

そして臨床研究からの根拠の検証を重要視する。」

これは1992年にアメリカ医師会雑誌に掲載され、EBM宣言とも呼ばれています。

 

人を対象としているかどうか。

まずはここで分けましょう!

 

参考資料:

https://www.annualreviews.org/doi/full/10.1146/annurev-publhealth-031811-124606?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori%3Arid%3Acrossref.org&rfr_dat=cr_pub%3Dpubmed

https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/400956

津田敏秀:医学的根拠とは何か.岩波新書.2013

津田敏秀:医学と仮説.岩波科学ライブラリー.2011