労働者を対象とした過去の調査では、肩関節への負担が肩関節障害のリスク因子であることが報告されています(こちら)
しかし、肩関節への負担と肩関節障害との間に、用量反応性の関係があるかどうかは明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「肩への負担と障害に用量反応関係はあるの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)
2020年にドイツのSeidlerらの研究チームは、2018年11月までに登録されている14本の論文を解析しています。
結果として、
肩より高い位置での作業、肩関節の反復動作を含む作業、肩への強い負荷、肩および上腕への振動刺激を伴う作業は、用量依存的に肩関節障害と関連していた。
この用量反応関係は性別とは関連していなかった。
だそうです。
ただし、対象者数が少なく、研究方法にばらつきがあるため、更なる研究が必要だそうです。
やはり、肩関節への作業負担は、肩関節障害と関連しているようですね。
仕事の関係上、肩関節への負担は仕方がない方は多いと思いますので、肩関節に負担がかかりにくい動作指導やケアの方法を指導するのも、理学療法士の役割だと思います。