音楽や脳に良い影響を与えることが、検査技術の向上とともに明らかになりつつあります。
音楽は、脳の神経活動を活性化させることで認知機能、運動機能、感情を改善させる効果があることが報告されています。(こちら)。
しかし、音楽が脳卒中患者にどのような効果があるかについては明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「脳卒中リハに音楽は効果あるの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2019年にフランスのLe Perfらの研究チームは、2018年5月までに登録されている27本の論文を解析しています。
結果として、
- リズミカルな聴覚刺激は、歩調、歩幅、対称性、バランス能力が改善した。
- アクティブな音楽療法(自ら歌や演奏)は、肩関節および肘関節の可動域、気分が改善した。
- 受動的な音楽療法(聞くだけ)は、上肢痛、認知機能が改善した。
- Melodic intonation therapy(リズムを付けた言語療法)は、言語能力を改善させた。
だそうです。
ただし、研究方法にバラつきがあり、対象者数も少ないため、今後さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
- 脳卒中患者に対する音楽療法は、身体機能、認知機能、言語機能を改善させる。
ということになります。
音楽はスポーツ選手が活用しているように、身体、精神、認知面に影響を与えます。
リハ室にBGMを流している施設もあるかと思いますが、何を流すかでリハの効果に少なからず差が出てくるかもしれません。