脳卒中患者では、脳卒中がない人と比較して骨折リスクが高くなっていることが報告されています(こちら)
また、最近では筋と骨が互いに連関していることも報告されています(こちら)
しかし、脳卒中患者の筋と骨の連関については明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「脳卒中患者の筋と骨は関連しているの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)
2020年に中国のYangらの研究チームは、2019年1月までに登録されている59本の論文を解析しています。
結果として、
脳卒中後の経過が長くなるにつれて、麻痺側上下肢の骨密度は減少していったが、減少幅は経過とともに緩やかになっていた。
骨密度の減少幅は、上肢の方が下肢よりも大きかった。
麻痺側の上下肢の骨密度は、筋力および筋肉量と強く関連していた。
だそうです。
ただし、研究方法や対象者にバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
脳卒中患者では麻痺側の骨密度は減少し、筋力や筋肉量と関連している。
ということになります。
最近では「オステオサルコペニア」という言葉も出てきており、骨粗しょう症とサルコペニアは合併することが多いことが明らかになっています。
脳卒中後では、ただでさえバランス能力などが低下して転倒骨折しやすい状態なので、オステオサルコペニア対策も同時進行で行っていく必要があると思います。