肥満は脳卒中のリスク因子ですが、BMIが高い方が生存率が高いことが報告されています(こちら)。
しかし、一般成人では、肥満はADL障害のリスク因子であることも報告されています(こちら)。
脳卒中でも肥満はリハビリテーションの進行に影響を与えることが考えられますが、まだ明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「脳卒中患者の肥満はリハアウトカムに影響するの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2020年にカナダのMacDonaldらの研究チームは、2019年2月までに登録されている7本の論文を解析しています。
結果として、
2件は肥満と機能予後に正の関連がみられ、2件は関連なし、3件は負の関連がみられた。
だそうです。
ただし、研究間で方法にバラつきがあり、対象者も少ないため、さらなる研究が必要だそうです。
生命予後については肥満パラドックスは当てはまりそうですが、機能予後についてははっきりとはしませんでした。
脳卒中患者では元々が肥満の方が多いと思いますが、肥満が良くないということもわかっていませんので、肥満によってリハに悪い影響が出ている場合以外では、特に減量する必要は今のところないかもしれません。