高齢者では、年齢を重ねるほど複数の疾患に罹患する率が高くなります(こちら)
脳血管障害の患者も年々高齢化しており、複数の疾患に罹患していることは少なくありません。
しかし、複数の併存症を有していることでアウトカムが変わるかについては明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「脳卒中患者の複数の併存症は機能予後に影響するの?」という論文です(こちら)
2019年にアメリカのJiangらの研究チームは、2017年12月までに登録されている18本の論文を解析しています。
併存症はチャールソン併存症スコア(CCI)、修正CCI(MCI)で評価しています。
結果として、
- MCI( OR:1.17)、CCI(OR:1.07)は、それぞれ機能的予後不良と関連していた。
だそうです。
ただし、研究方法や対象者にバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
- 併存症スコアの高さは、機能的予後と関連している。
ということになります。
今回の結果では併存症が機能的予後と関連しているという結論でしたが、ORは1.10前後とあまり高くはありません。
併存症の有無や多さは予後に関連していますが、その影響力は少ないということを念頭に置いておく必要があると思います。