脳卒中患者に対して短下肢装具(AFO)はよく用いられる装具だと思います。
AFOは、特に下垂足に対して有効性が認められ、その有用性が確認されています(こちら)。
しかし、AFOが歩行速度に与える効果については明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は、「AFOは歩行速度を上げられるの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2019年にイランのShahabiらの研究チームは、2019年9月までに登録されている14本の論文を解析しています。
結果として、
AFOありとAFOなしとの比較では、群間に差は認められなかった。
AFOありと電気刺激療法との比較では、群間に差は認められなかった。
異なるタイプのAFO間の比較では、群間に差は認められなかった。
だそうです。
ただし、研究方法や対象者にバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
AFOは歩行速度に影響しない。
ということになります。
今回の結果は「差がない」というだけなので、必要な対象を見極めて使用すれば、効果がある患者もいると思います。
また、バランス能力や歩行時のエネルギー消費量を抑える効果は認められているので、歩行速度以外の効果を目的として使用するのも良いのではないかと思います。