脳卒中患者では肺炎は良く目にする合併症ではないでしょうか。
脳卒中患者の肺炎は「脳卒中関連肺炎(SAP)」と呼ばれ、14%の患者で発症すると報告されています(こちら)。
SAPは嚥下評価を適切に行えば防げる可能性がありますが、嚥下評価の有効性は明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「脳卒中関連肺炎に嚥下スクリーニングは有効か?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2019年にイギリスのEltringhamらの研究チームは、データベースに登録されている12本の論文を解析しています。
結果として、
- 嚥下障害のスクリーニングをしていない患者は、SAP発症率が高かった。
- 早期にスクリーニングを行うと、SAP発症率が減少した。特に、STが早期に嚥下スクリーニングを行うと、よりSAP発症率が減少した。
だそうです。
ただし、調査方法や対象者にバラつきがあるため、今後さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
- SAPは、早期に嚥下スクリーニングを行うことで予防できる可能性がある。
ということになります。
脳卒中患者が肺炎を発症すると、リハビリテーションの進行が妨げられてしまうため、予防に努めなければいけません。
看護師や介護士、STばかりにまかせず、PTやOTも嚥下スクリーニングくらいはできるようになっておいた方が良いと思います。