痛は若年者から高齢者、性別問わず多くの人が悩んでいる問題だと思います。
整形外科に行くと、とりあえず牽引や電気治療をされることも少なくないのではないでしょうか?
腰痛に対しては、2007年に出されたガイドライン(こちら)で、
- 運動
- 認知行動療法
- 脊椎マニピュレーション
- 包括的リハビリテーション
- 表在熱
が有効とされていました。
今回紹介する論文は、アメリカのガイドライン作成チームが2007年に出された腰痛ガイドラインの更新のために行った、非薬物治療の効果に関するシステマティックレビューです(こちら)。
2008年から2016年の期間の114本の論文が含まれています。
結果として、
これまで腰痛に効果があると言われていた非薬物治療に加えて、
- マインドフルネス(エビデンスレベル中)
- 太極拳(エビデンスレベル低)
が新しく有効な治療法として認められたことです。
また、
- ヨガ(エビデンスレベル中)
が今まで考えられていたよりも有効性が高いと判断されました。
以前から有効とされていた非薬物治療では、
- 運動
- 心理療法
- 包括的リハビリテーション
- 脊椎マニピュレーション
- マッサージ
- 鍼治療
がそれぞれ低~中等度のエビデンスが認められていました。
今回の結果では、それぞれの治療法がどれくらいの強さや頻度で行えば良いかやまだ明確になっていないこと、治療者間で技術的な違いがあること、プラセボとの比較が十分できていないことなど、明確になっていません。
結果をまとめますと、
- 腰痛には、マインドフルネスやヨガのように、精神心理的な方法の有効性が増してきている。
- 依然から有効とされている治療法は、依然として有効。
ということになります。
「腰が痛い!」と言われる患者さんに対して、とりあえず牽引や電気治療をやったりすることも少なくないのではないでしょうか。
そういう方は、今一度、腰痛の患者さんへの関わり方を見直す必要があるのかもしれません。