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重症脳卒中患者のリハビリテーションは何が有効なの?というお話

重症の脳卒中患者では、入院してリハビリテーションを行うことで、機能の改善は限定的でしたが、死亡率、入院期間、退院率を改善させることで報告されています(こちら

 

しかし、どのような介入方法が良いかについては明らかになっていませんでした。

 

今回紹介する論文は「重症脳卒中患者のリハビリテーションは何が有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら

2020年にイギリスのMcGlincheyらの研究チームは、2018年11月までに登録されている28本の論文を解析しています。

 

結果として、

 

手関節および手指に対する神経筋電気刺激は、急性期で短期的に手関節筋力と握力を向上させたが、随意運動に対しては効果がなかった。

 

急性期の早期かつ頻回の離床(24時間以内に6.5回/日)は、通常の離床(24時間以降に3回/日)と比較して、ADL、死亡率に対して効果は認められなかった

 

通常の治療+下肢機能の治療は、急性期から亜急性期で発症後20週のADL能力、歩行能力改善させた。

 

作業療法は、通常ケアと比較してADL能力、活動量、QOL、抑うつに対して効果は認められなかった。

 

急性期から亜急性期の上肢または下肢治療は、発症から6か月の上肢機能、IADL改善させたが、QOL改善しなかった。

 

だそうです。

 

ただし、研究方法にバラつきがあり、質の高い調査が少ないため、さらなる研究が必要だそうです。

 

結果をまとめますと、

 

急性期の手・手指の神経筋電気刺激、急性期から亜急性期の上肢・下肢治療体機能ADL能力改善させる。

 

ということになります。

 

普段の臨床で、効果的と思われていた治療でも、効果が認められないという結果が出ていたのは興味深かったです。

 

脳卒中患者では、患者間で病態や個人・背景因子の差が大きいことが、今回の結果につながった可能性が考えられます。