睡眠障害は高齢者の約半数に認められると言われており、身体活動の低下やストレスなどがリスク因子と報告されています(こちら)。
睡眠障害のリスク因子はフレイルのリスク因子と重なっている部分が多くありますが、睡眠障害とフレイルとの関連は明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は、「高齢者の睡眠障害とフレイルとの関連は?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2019年に中国のJoyce Lokらの研究チームは、2018年12月までに登録されている7本の論文を解析しています。
結果として、
- 睡眠の質は、フレイルと関連していた。
- 不眠症の症状、日中の眠気、睡眠覚醒パターンは、フレイルとの関連が明らかにならなかった。
だそうです。
ただし、研究方法や対象者にバラつきがあるため、今後さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
- 睡眠の質とフレイルは関連しているが、実際の症状とは関連していなかった。
ということになります。
睡眠の質のみがフレイルと関連しているというのは興味深いですね。
睡眠の質自体に様々な症状が含まれているため、症状単独ではなく、複合することでフレイルと関連してくるのではないかと思います。
いずれにしても、高齢者の睡眠の質を上げることは重要ですね。