病院を退院後にインフラの問題などでリハ施設にアクセスできず、リハサービスを受けることができない脳卒中患者さんは少なくありません。
カナダの脳卒中ガイドラインでは、リハセンターにアクセスできない脳卒中患者に対して遠隔リハ(テレリハ)サービスを提供することを推奨しています(こちら)。
しかし、テレリハの有効性についてはまだ明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「テレリハは脳卒中患者に有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2020年にオーストラリアのLaverらの研究チームは、2019年6月までに登録されている22本の論文を解析しています。
結果として、
テレリハと通常ケアを比較すると、ADL能力、移動能力、健康関連QOL、抑うつ、上肢機能に対して両群に差は認められなかった。
テレリハと対面での個別リハを比較すると、ADL能力、バランス能力、健康関連QOL、上肢機能、言語機能に対して両群に差は認められなかった。
費用対効果については、研究数が少なく、結論を出すことはできなかった。
だそうです。
ただし、方法にばらつきがあり、各研究の質は高くないため、さらなる研究が必要だそうです。
テレリハは通常ケアと差はありませんでしたが、個別リハと比べて劣っているわけではないので、リハ施設に通えない脳卒中患者さんにとって有用なのではないかと思います。
ただ、今後は遠隔システムがより一層向上してくると思いますので、より効果的なテレリハが行えるようになるのではないかと思います。