脳卒中患者の歩行機能の改善に、後ろ向き歩き(BW)が有効であることが報告されています(こちら)。
また、BWにはバランス能力を改善させる効果も報告されていますが、その有効性についてはまだ明確になっていませんでした(こちら)。
今回紹介する論文は「脳卒中患者で後ろ向き歩きは有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2020年に中国のChenらの研究チームは、2019年の11月までに登録されている10本の論文を解析しています。
結果として、
歩行パラメータでは、歩行速度(MD=6.87)、ケーデンス(MD=4.35)、麻痺側の歩幅(MD=4.33)が有意に改善した。
その他のパラメータでは、BBS(MD=3.82)、歩行テスト(MD=0.08)、TUG(MD=-2.14)が有意に改善した。
だそうです。
ただし、研究参加者数がまだ少なく、介入方法にもバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。
前方に進むのは上手でも、後ずさりしたりする際に不安定になってしまう方は少なくないと思います。
BWは、簡単で患者さんにとっても理解しやすいので、普段のリハから自主トレまで幅広く取り入れやすい練習方法ではないかと思います。