人工呼吸器関連肺炎(VAP)は、ICUで人工呼吸器管理されている患者の15.1%に発生し、VAPに関連した死亡は10.4%と言われています(こちら)。
VAP予防には様々な方法の有効性が確認されていますが、徒手的呼吸介助や体位ドレナージなどの胸部理学療法(CPT)の有効性については明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「VAP予防にCPTは有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2019年に中国のWangらの研究グループは、2018年11月までに登録されている6本の論文を解析しています。
結果として、
CPTは、VAP予防、ICU死亡率、ICU滞在日数、人工呼吸器使用日数を減少させる効果はなかった。
CPTは、院内死亡率を減少させた(OR=0.68)
だそうです。
ただし、研究数が少なく、研究方法にもバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。
CPTはICUでは良く用いられると思いますが、実際にはその有効性は明らかになっていないのですね。
ただ、有効性を示す症例もいると思いますので、適用に吟味が必要ですね。