脳卒中後の肩関節痛(PSSP)は、脳卒中発症後6か月後までに16.4%に発症すると言われています(こちら)
しかし、PSSPに関連する因子については、まだ明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「脳卒中後の肩痛発症に関連する因子は?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)
2020年にイギリスのHolmesらの研究チームは、2019年4月までに登録されている9本の論文が解析されています。
結果として、
糖尿病(OR=2.09)、肩関節痛の既往(OR=2.78)はPSSPのリスク因子であった。
性別、障害測はリスク因子ではなかった。
メタ解析を行うことはできなかったが、上肢機能低下もPSSPと関連している可能性があった。
だそうです。
ただし、研究方法にバラつきがあり、対象者数も少ないため、さらなる研究が必要だそうです。
PSSPのリスク因子については、もう少し多く研究されていると思っていましたが、意外と少ないことに驚きました。
実際の現場では、一言で「脳卒中患者」と言っても、病歴、障害部位、既往歴など十人十色なので、はっきりと標準化することは難しいのではないかと感じています。
ただ、メタ解析に含まれなかったPSSPのリスク因子を調査した報告は複数あるので、目の前の患者さんと条件が類似しているセッティングで調査している報告を参考にするのが良いのではないかと思います。